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2021.09.26

つくし会幼児教室 六本松校 × RKB 毎日放送 特別講演 “世界に誇る人材を生み出す幼児教育とは” 講演後記

世界に誇る人材を生み出す幼児教育とは
スタンフォード大学 西村所長、つくし会 石井代表、MCの尾崎朋美さん

9月26日にスタンフォード大学麻酔科・創薬研究所西村俊彦所長とつくし会幼児教室本部代表で金沢工業大学大学院准教授の石井大貴による講演会“世界に誇る人材を生み出す幼児教育とは”が開催されました。西村所長はカリフォルニア、石井代表はつくし会福岡六本松校、MCで気象予報士・フリーアナウンサーの尾崎朋美さんは東京から、多くのご参加者の皆様も全国各地からご参加されるリモートならではのイベントとなりました。


 講演会は、西村所長へのスタンフォード大学での取り組みについての質問と紹介から始まりました。西村所長は、麻酔科チェアマンRonald G. Pearl先生と25年間研究・臨床・教育をされてきた経験や、創薬・創医療機器開発機構責任者とという立場で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発などを主導されています。その中で、ご自身の研究だけではなく、多くの人材育成や学生への指導を行ってこられました。「スタンフォード大学が輩出してきた世界に誇る人材の共通点は何か?」という質問に対して西村所長は、ご自身の経験から「いろんなことに興味が持てる人。すぐできる夢から途方もない夢まで見る人。夢を夢で終わらせないように日々努力する人。心技体というか、文武両道を心がけている人が多いですね。」と答えました。


 石井代表は、TBSテレビに15年間在籍した後、つくし会幼児教室を運営するLOCON株式会社を立ち上げました。「なぜ、全く違う道に進んだのか?」という質問に対しては、「在職中、メディアの研究をつきつめ、脳科学(エンジニアリング)の分野で学位を取得しました。それがきっかけで、金沢工業大学大学院の教員として採用していただきました。様々なチャレンジの中でも、一番興味を持ったことが幼児教育です。母が30年続けてきた、つくし会幼児教室に自分の子2人を通わせたことによって、子どもと親が一緒になって成長することの魅力や楽しさを知りました。幼児教室の存在意義を強く感じ、起業に至りました。」と語りました。


 次に、MCからの「世界に誇る人材を育てるために、日本に今どんな教育が必要か?」という問いに対して西村所長は、「日本の教育には、基礎を大事にするという強みがあります。それに加えてこれからの教育では、大谷翔平選手やイチロー選手のように、自分の好きなことを追求し、やりたいことのためにルーチンを徹底し、取り組む力を育む必要があります。また、自分のやりたいことを明確に表現する言葉の力も重要ですね。」とし、石井代表は、「イチロー選手の小学生時代の文章はあまりにも有名で、目標がとても明確でした。プロ野球に入るという記述だけではなく、具体的な球団名まで記されています。このように、好きな道で輝くためには目標を持つことが重要です。しかし、その前にもっと重要なことが3つあります。1つは、やり抜く力を育てること。どんなに好きなこと、やりたいことであっても、苦しいことや辛いことに必ず直面します。それを乗り越えるだけのやり抜く力を育む必要があるのです。2つ目は、自分の中の善悪の判断をしっかりと持つことです。自由と勝手は違いますから、人に応援してもらうためにも、自分自身の善悪の基準を持つことは重要です。3つ目は、西村先生からあった言葉の力です。幼児期には流暢に話すということよりも、目を見て話す、挨拶をするといったコミュニケーションの基礎を磨くことが重要だと考えています。」と話しました。幼児教育から世界に誇る人材を育てるための方法論を問われると、西村所長は、「自分の経験から答えると、5人兄弟の末っ子で多くの人に囲まれながら育ちました。自然の中で育ったこともあって、そこから生命の神秘や面白さを知ったことが、今の仕事につながっていると思います。3つ子の魂百までと言いますが、幼少期に興味があることとしっかり向き合うことが大切だと考えています。」と答え、幼児期の重要性について話しました。一方の石井代表は、「西村先生のように、幼少期から多くの人達の中で揉まれることは、2つの観点から重要だと思います。1つは、コミュニケーションについて学ぶこと。2つ目は、多くの人との関係性の中で、自分の役割や特性について知ることだと思います。昨今では、ダイバシティの重要性が叫ばれています。人の良さを引き出し、共生するというのが真意ですが、自分の特性や長所を知らない人が、人の価値を理解することはできません。幼少期には、自分を良く知るきっかけとして、『やりたいこと・やるべきこと』に集中して取り組むことを教えることが重要だと考えています。」と話しました。


 世界に誇る人材を育成するために、幼児教育が大切な理由について問われると石井代表は、「幼児教育では、失敗を恐れず『やれば、できる!』の精神で様々なことに根気強くチャレンジすることに価値があると思います。人のことよりも、まず自分のことに集中して取り組むこと。それは、人と比べず、好きな道で輝くために重要なことだと考えています。大きい話しになってしまいますが、人と比べずに自分のやるべきことに集中すること、他者をリスペクトすることは、戦争のない平和な社会を実現するためにも必要なことです。」と答えました。続けて西村所長は、「スタンフォード大学には、fail fast fail betterという言葉があります。これは、どんどんチャレンジしてどんどん失敗すること。そして、失敗したとしても別のやり方で次に進むことの重要性を説いた言葉です。小さい時から親子で意識して取り組んでいただきたいと考え、この言葉をエールとして送りたいと思います。」と語りました。


 最後の質疑応答の時間には、参加者から幼少期の英語教育についての質問がありました。西村所長は、「日本語によるコミュニケーション、心や身体づくりが『100』であるとすれば、早期の英語教育の大切さは、『1』に過ぎない。」と力強く、幼少期における人としての土台作りの重要性について強調していました。このコメントについて石井代表は、「脳からの神経系統の発達は0~6歳が最盛期と言われています。これに対して、言語の発達は、7~9歳くらいまで続くと言われているため、小学校に入ってからの学習でも十分に効果を発揮すると考えています。」と補足しました。


 約1時間の講演会の中身は、幼児教育の本質に迫り、その価値を再考する機会になったと感じています。何歳になっても人間にとって必要な原理・原則にも通じるお二人の話しは、お子様を持つ保護者だけでなく、多くの方々に勇気や活力を与えたと思います。

以上

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